第2回目の賛助会員インタビューは,日本ESIの三邉様にお伺いしました.

—貴社の業務内容について紹介をお願いします。会社全体の業務とオープンソースに関わる部分と分けてご説明いただけますでしょうか?

主に商用のCAEソフトウエアの開発、販売サポート、これらを使用した受託解析業務などを行っている外資系ソフトウエア会社になります。最近では、バーチャルリアリィティシステムやクラウドサービスをも開始しトータルソリューションの提供を目指しています。もちろん、お客様からの要望があればOpenFOAMを使用したサービスも行っています。

—貴社がOpenFOAMに関わるようになった経緯と目的はどのようなものだったのでしょうか?

オープンソースは、なかなか継続が難しく、ポテンシャルのあるものでも開発が止まってしまい、消えてなくなってしまうことも有ります。OpenFOAMはメジャーCFDコードと比べてもスペックとしては遜色無く、全世界に多くのユーザーがいます。ESI-groupとしては、ニースがあるところにはビジネスチャンスがあると判断し、OpenFOAMの開発元であるOpenCFD社を買収し新たなCFDビジネスの可能性を見出そうと考えたのが始まりです。

—オープンソースとビジネスはなかなか結び付かないように傍からは思われますが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか?

サービスを提供する側も受ける側も、商用コードと同じようなスタンスで行っていては難しいかと考えます。オープンソースならではの、Win-Winの関係があると考えています。例えば、世の中で認知されている商用CFDソフトは、多少の差異は有りますが、基本的に同じものといっても過言ではないと考えます。しかし、ユーザー様は、何らかの判断基準で価値を見出され、導入されるソフトを選択されます。つまり、ソフトの価値はそれ自体ではなく、使用する側の価値にも依存すると考えています。よって、オープンソースであろうが、商用であろうが「他よりも有効活用する」というとこに重点を置けば、ユーザー様も投資への
価値が得られ、弊社とも良い関係を構築いただけると考えています。

—オープンソースは日本の企業文化に根付くと思われますか?または既に根付いていると思われますか?

オープンソースは、「みんなで投資し、利益をみんなで分配する」という考えの上で初めて発展すると思います。残念ながら、あくまでも個人的な感想ですが、現状、「根付いている」とは言うのは難しいかと思います。しかし、年間のOpenFOAMのダウンロード数を見ると、日本はドイツ、アメリカ、中国についで4番目で全体の約10%を占めています。十分にポテンシャルはあると考えています。後は、日本企業が「ソフトウェアを購入するとうことに投資する」のではく、「目的にあったCFD環境構築に投資する」と考えてもらえれば、根付いて行くのではと期待しています。

—オープンCAE学会に期待することをお願いします.

是非、海外へ向けての発信も行ってください。